ナイロンラインとPEラインの号数・強度換算表
ナイロンライン・フロロカーボン・PEラインは、同じ「号数」であっても保持している「強度(lb/ポンド)」が大きく異なります。一般的にPEラインはナイロンの約2.5〜4倍近い強度を持ちます。
PE1号はナイロン何号かが知りたい時に便利な、実釣で目安となる換算表をまとめました。
| 号数 | ナイロン・フロロ強度(目安) | PEライン強度(目安) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 0.2号 | 約0.8lb(0.36kg) | 約4lb(1.8kg) | アジング・メバリング等 |
| 0.4号 | 約1.5lb(0.675kg) | 約6〜8lb(3.15kg) | ライトゲーム全般 |
| 0.6号 | 約2.5lb(1.125kg) | 約10〜12lb(4.95kg) | エギング・チニング |
| 0.8号 | 約3lb(1.35kg) | 約14〜16lb(6.75kg) | シーバス・エギング |
| 1.0号 | 約4lb(1.8kg) | 約18〜20lb(8.55kg) | シーバス・ライトショアジギング |
| 1.5号 | 約6lb(2.7kg) | 約25〜30lb(12.375kg) | ショアジギング・ロックフィッシュ |
| 2.0号 | 約8lb(3.6kg) | 約35〜40lb(28.125kg) | 青物・オフショア |
| 3.0号 | 約12lb(5.4kg) | 約50lb前後(22.5kg) | 大型青物 |
| 4.0号 | 約16lb(7.2kg) | ||
| 5.0号 | 約20lb(9kg) |
換算における重要な3つの視点
1. 「号数」は太さ(体積)の規格
日本の規格(JAFS基準)では、号数はラインの「太さ(直径)」で決められています。
- ナイロン・フロロ: 標準直径が決まっており、強度はおおよそ「号数 × 4」がポンド(lb)数になります。
- PEライン: 非常に細い原糸を編み込んでいるため、ナイロンと同じ太さ(号数)でも、素材自体の引張強度が圧倒的に高くなります。
2. 強度(lb)基準での選び方
リールのキャパシティやターゲットフィッシュに合わせてラインを巻き替える際は、号数ではなく「強度(lb)」を基準に考えるのが実践的です。
- ナイロン12lb(3号)の強度を維持したまま、より遠投したい、または感度を上げたい場合
- → 強度が同等の PE0.8号〜1.0号 を選択する。
- リールの巻糸量を基準にする場合
- PEラインはナイロンに比べて表面の摩擦が少なく、密に巻けるため、同じ号数表記でもナイロンより多く巻ける傾向があります。
3. 結束(ノット)による強度の低下
PEラインは直線強度は非常に高いですが、熱や摩擦に弱く、結束部分で強度が落ちやすいという特性があります。
- ナイロン: 結び目でも強度が維持されやすい(結束強度 約80〜90%)。
- PEライン: 結束方法(ノット)により強度が大きく変動する(FGノット等の摩擦系で約80〜100%、単純な結びでは50%以下になることも)。
このため、PEラインに換算する際は、直線強度(カタログスペック)に少し余裕を持たせた号数選びをするのが一般的です。
ナイロンライン PEライン フロロカーボン違い
| 特徴 | ナイロン | フロロカーボン | PEライン |
|---|---|---|---|
| 素材 | ポリアミド | ポリフッ化ビニリデン | ポリエチレン |
| 比重 | 1.14 (水に少し沈む) | 1.78 (素早く沈む) | 0.97 (水に浮く) |
| 引っ張り強度 | 普通 | 普通 | 非常に強い |
| 耐摩耗性 | 普通 | 非常に高い | 非常に低い |
| 伸び | 非常に伸びる | 適度に伸びる | ほとんど伸びない |
| 感度 | 低い | 普通 | 非常に高い |
| 吸水・劣化 | 吸水し劣化しやすい | ほとんどしない | しない |
1. ナイロンライン
初心者から上級者まで幅広く使われる、最もスタンダードなラインです。
- メリット:
- 適度な伸びがあるため、魚の急な引き(ショック)を吸収し、バラシ(針外れ)を防ぐ。
- しなやかでリールに馴染みやすく、ライントラブルが少ない。
- 安価で入手しやすい。
- デメリット:
- 吸水性があり、使用するほど強度が低下する。
- 紫外線に弱く、劣化が比較的早い。
- 伸びるため、遠くのアタリを捉える感度は他のラインに劣る。
2. フロロカーボンライン
ハリス(針に近い部分)やショックリーダーとして多用される、硬くて沈むラインです。
- メリット:
- 根ズレ(岩や障害物とのこすれ)に非常に強い。
- 比重が重いため、ルアーや仕掛けを素早く沈めることができる。
- 水に近い屈折率を持っており、水中での透明度が高い。
- 吸水せず、紫外線による劣化もほとんどない。
- デメリット:
- 糸が硬く「巻き癖」がつきやすいため、リールに巻くとトラブルが起きやすい。
- ナイロンに比べると価格がやや高め。
3. PEライン
細いポリエチレン繊維を編み込んだ、ルアーフィッシングの主流ラインです。
- メリット:
- 同じ号数ならナイロンの3〜4倍の引っ張り強度があり、飛距離が圧倒的に出る。
- 伸びがゼロに近いため、ルアーの操作性が高く、小さなアタリも明確に伝わる。
- 吸水・劣化がほとんどなく、長期間使用できる。
- デメリット:
- 摩擦に極端に弱く、岩に少し触れただけで切れることがある。
- コシがないため、風や穂先に絡みやすい。
- 単体では魚に気づかれやすいため、先端に「ショックリーダー(フロロなど)」を接続する必要がある。
使い分けの目安
- ナイロン: トップウォーター(水面)の釣り、初心者の最初の1本、クランクベイトなどの巻物。
- フロロカーボン: 底を狙う釣り(ワーミング)、ハリス、岩場の多い場所。
- PEライン: 遠投が必要な釣り(シーバス、エギング、ショアジギング)、深い場所を狙う船釣り。
ナイロンライン PEライン フロロカーボン 結束強度
結束強度(けっそくきょうど)とは、ラインを結んだ部分の強さのことです。一般的に、釣り糸は結び目を作るとそこから強度が低下し、直線強度(結んでいない状態)よりも弱くなります。
素材ごとの特性と、結束強度の割合(直線強度を100とした場合の目安)をまとめました。
素材別の結束強度特性
| 素材 | 結束強度の目安 | 特徴と注意点 |
|---|---|---|
| ナイロン | 80% 〜 90% | 最も結びが強く安定している。 素材が適度に伸びて柔らかいため、結び目が密着しやすく、自分の糸に食い込んでしっかり止まります。 |
| フロロカーボン | 70% 〜 80% | 結び方にコツが必要。 素材が硬いため、結び目が締まりにくく、無理に締めると摩擦熱で強度が著しく低下します。 |
| PEライン | 40% 〜 50% (単体) | 通常の結びには不向き。 表面が非常に滑りやすく、一般的な結び方(クリンチノットなど)では簡単にすっぽ抜けるか、糸同士が細すぎて断裁してしまいます。 |
1. ナイロンライン:結束の安定感
ナイロンは「クッション性」と「表面の摩擦」のバランスが良く、初心者でも簡単に高い結束強度を出すことができます。
- 強み: 多少雑に結んでも強度が維持されやすい。
- 弱み: 水を吸うと素材が柔らかくなりすぎるため、長時間使用した後の結び目強度は低下します。
2. フロロカーボンライン:熱と「潰れ」に注意
フロロカーボンは硬い反面、急激な折り曲げや衝撃に弱い「脆(もろ)さ」があります。
- 注意点: 結び目を締め込む際の摩擦熱に非常に弱いです。締め込む前に必ず水や唾液で湿らせ、ゆっくりと締めることが強度を保つ秘訣です。
- 製品差: 前述の「グランドマックス」のように、独自の技術でこの結束強度を90%近くまで高めている高性能なフロロカーボンも存在します。
3. PEライン:摩擦系ノットが不可欠
PEラインは繊維の束であるため、一般的な結び方をすると糸同士が滑る、あるいは「ハサミ」のように互いを切ってしまいます。
- 解決策: 結び目を作るのではなく、リーダー(フロロやナイロン)にPEを編み込んで、摩擦で止める「摩擦系ノット(FGノット、PRノットなど)」が必須です。
- 強度向上: 正しくFGノット等を行えば、結束強度は80%〜90%以上まで引き上げることが可能です。
結束強度を落とさないためのポイント
- 潤滑(湿らせる):
どのラインでも、締め込む際は水や唾液で濡らしてください。摩擦熱による強度の低下を防ぎます。 - ゆっくり締め込む:
一気に強く引っ張ると、ラインがチリチリに縮れたり、内部構造が破壊されたりします。 - 適切な結び方の選択:
- ナイロン・フロロ: パロマーノット(非常に強く簡単)、ダブルクリンチノットなど。
- PEライン: 結束具を使わない場合はFGノットが推奨されます。
「直線強度が強いライン」を選んでも、「結び方」が悪いとその強さは半分以下になってしまいます。特にPEラインを使う場合は、ノットの習熟が不可欠です。