電車結び(でんしゃむすび)は、2本の糸(ライン)同士を繋ぎ合わせるための最も基本的で代表的な釣りの結び方です。リールの道糸とリーダーを繋ぐ際や、高切れした糸を繋ぎ直す際によく用いられます。
電車結びの強度と電車結びよりも簡単で強い結び方
電車結びの強度は、釣り糸同士を結ぶ方法の中では、強度は「中程度」から「やや低い」部類に入ります。
| 細い道糸と細いリーダー | 72% |
| 同じ太さの道糸とリーダー | 44% |
| PEとリーダー | 60% |
| PEとPE | 20%~40% |
結ぶのは簡単ですが、電車結びの強度は可もなく不可もなくの強度です。
電車結びはユニノットではなくハングマンズノットにする電車結び改は10%程度強度がアップします。
電車結びよりも簡単で強度が強いノット
同じ太さのナイロン道糸とフロロリーダーの結束はトリプルエイトノットが結束強度63%と強度が高くなります。
PEとリーダーの結束の場合は「EF10秒ノット」が80%~90%の結束強度で電車結びより簡単強い結び方なのでエギングにもおススメです。
強度の特徴と要因 電車結びとFGノット
- 結束効率の低さ
FGノットなどの摩擦系ノットが80%〜100%近い強度を維持できるのに対し、電車結びはライン同士が干渉し合い、締め込む際に「点」で負荷がかかるため、ライン本来の強さを引き出しにくい構造です。 - 素材による変動
- ナイロン・フロロカーボン同士: 比較的安定しますが、太さが極端に違う糸同士だと強度がさらに低下します。
- PEラインとショックリーダー: PEラインは滑りやすいため、電車結びでは締め込みが甘くなりやすく、すっぽ抜けやPEによるリーダーの破断(食い込み)が発生しやすくなります。PEラインを使用する場合、強度はさらに不安定になります。
- PEラインとPEライン:電車結びでPEラインとPEラインを結束した場合はすっぽ抜けが発生しました。
- 巻き数による影響
通常4〜5回程度巻きつけますが、巻き数を増やすことで多少の強度は安定します。しかし、結び目が大きくなる(コブが太くなる)ため、ガイドへの干渉という別の問題が発生します。
メリットとデメリット
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 習得が非常に容易。暗所や強風下でも素早く結べる。初心者でも失敗が少ない。 |
| デメリット | 結び目が大きくガイドに当たりやすい。高負荷がかかると他のノットより先に破断しやすい。 |
推奨される用途
- 小物釣り・ライトゲーム: アジ、メバル、ハゼ、管理釣場などのライトな釣り。
- 緊急時の応急処置: 時合などでノットを組み直す時間がない場合。
- 道糸と下巻きの連結: 魚とのやり取りで負荷がかからない部分の連結。
大きな負荷がかかるショアジギングやオフショアの釣り、シーバスゲームなどでは、電車結びよりもFGノットやPRノット、あるいはダブルユニノットなどの、より強度が高いノットが推奨されます。
電車結び デメリット
結び目が大きく、ガイドに干渉する
電車結びは2つのノットを背中合わせにする構造上、結び目が太くなります。キャストの際にロッドのガイドと接触しやすく、以下の問題を引き起こします。
- 飛距離の低下
- ガイド内での引っかかりによるライントラブル(バックラッシュなど)
- ガイドリングへのダメージ
結束強度が比較的低い
他の高度なノット(FGノットやPRノットなど)と比較すると、結束強度が劣ります。一般的に直線強度の60〜70%程度まで低下するとされており、大物とのやり取りや強い負荷がかかるシーンでは、結び目から破断するリスクが高まります。
PEラインとリーダーの結束には不向き
PEラインは表面が滑りやすく、摩擦系ノットではない電車結びでは、強い負荷がかかった際にラインがすっぽ抜ける可能性が高いです。また、細いPEラインに対してリーダーが太い場合、太さの差によって結び目が安定しません。
ラインへのダメージ(締め込み時の負荷)
結び目が重なり合う構造のため、締め込む際にライン同士が強く擦れ、摩擦熱や食い込みによるダメージが発生しやすいです。特に熱に弱いフロロカーボンラインなどを使用する場合、強度が著しく低下することがあります。
キャスト時の衝撃(叩き)
結び目がガイドを通過する際、「コツン」という衝撃が発生します。これが繰り返されることで、結び目自体が弱くなったり、ティップ(竿先)にラインが絡みついたりする原因になります。
電車結びの特徴
- 簡単・迅速: 構造がシンプルで、初心者でも習得しやすく、現場で素早く結ぶことができます。
- 汎用性: ナイロンとフロロカーボン、太さの異なる糸同士など、様々な組み合わせに対応します。
- 信頼性: 結び目が2つあるため、安定した強度が得られます。
結び方の手順
- 糸を並べる: 繋ぎたい2本の糸の端を、互いに逆方向を向くように15〜20cmほど重ねて並べます。
- 片側をユニノットで結ぶ: 右側の糸の先端を使い、左側の糸(本線)を巻き込みながら「ユニノット」を作ります(輪を作り、その中に4〜5回糸を通す)。
- 反対側も同様に結ぶ: 今度は左側の糸の先端を使い、右側の糸(本線)を巻き込みながら同様に「ユニノット」を作ります。
- 締め込む: 摩擦熱を防ぐために結び目を湿らせます。それぞれの糸の先端を引いて、2つの結び目を軽く締め込みます。
- 合体させる: 両側の本線を持ってゆっくり引くと、2つの結び目が中央に滑っていき、カチッとぶつかって止まります。
- 仕上げ: 最後に強く締め込み、余った糸をカットすれば完成です。
コツ
- 巻き付け回数: PEラインを混ぜる場合や細い糸を使用する場合は、滑りやすいため巻き付け回数を5〜7回程度に増やすと強度が安定します。
- 糸の太さ: 極端に太さが違う糸(例:1号と10号など)を繋ぐと、結び目が安定せず抜けやすくなることがあるため注意が必要です。
電車結び 結び方(PEも同様)
- ラインを並べる
PEラインなど結びたい2本のライン(ラインAとラインB)の先端を互いに逆方向に向け、15〜20cmほど重ねて並列に持ちます。 - 片方のラインで輪を作る
ラインAの端を折り返し、ラインAのメインラインとラインBの両方を包み込むように大きな輪を作ります。 - ラインを巻きつける
作った輪の中に、ラインAの端を4〜5回くぐらせて巻きつけます。 - 片方の結び目を締める
ラインAの端をゆっくり引き、形を整えながら軽く締め込みます。 - もう片方のラインも同様に結ぶ
反対側にあるラインBの端も同様の手順で行います。ラインAを包み込むように輪を作り、その中にラインBを4〜5回くぐらせてから締め込みます。 - 2つの結び目を合わせる
両方のラインのメインライン(本線)を持ち、ゆっくりと左右に引っ張ります。2つの結び目がスライドして中央でぶつかるまで引き寄せます。 - 本締めと仕上げ
全体を強く締め込み、結び目がしっかり固定されたことを確認したら、余ったラインの先端をカットして完成です。
結ぶ際の注意点
- 摩擦熱を防ぐ: 最後に締め込む際、唾液や水で結び目を湿らせてください。摩擦熱によるラインの強度低下を防ぐことができます。
- 均等に締める: 片方だけを強く締めるのではなく、両方のバランスを見ながらゆっくり引き寄せることが、強度の安定につながります。
- 太さの差に注意: 極端に太さの違うライン同士を連結する場合、細い方のラインの巻き数を1〜2回増やすと、すっぽ抜けのリスクを軽減できます。
電車結び FGノット
電車結び vs FGノット 比較
エギングを含むルアーフィッシングにおいて、PEラインとリーダーを接続する際の代表的な2つのノットを比較します。
| 項目 | 電車結び(ダブルユニノット) | FGノット |
|---|---|---|
| 難易度 | 非常に簡単(初心者向き) | 難しい(練習が必要) |
| 結束強度 | 低〜中(50〜70%程度) | 非常に高い(90〜100%に近い) |
| 結び目の太さ | 太い(ガイドに干渉しやすい) | 非常に細い(ガイド抜けが良い) |
| 作成時間 | 早い(1分以内) | 時間がかかる(数分〜) |
| 主な用途 | 現場での応急処置、小物釣り | 本格的なルアー釣り全般 |
1. 電車結び(ダブルユニノット)
2つのユニノットを向かい合わせに作って引き寄せる方法です。
- メリット
- 構造が単純で、夜間や強風時、指先が冷えている時でも確実に結べる。
- 特別な道具や、ラインに強いテンションをかける必要がない。
- デメリット
- 結び目が「ダマ」になるため、キャスト時にガイドに当たって飛距離が落ちたり、ライントラブルの原因になりやすい。
- PEラインが滑りやすく、強い負荷がかかると結び目が抜ける、あるいはPEがリーダーを締め切って破断することがある。
2. FGノット
PEラインをリーダーに編み込み、摩擦で固定する「摩擦系ノット」の代表格です。
- メリット
- 結び目がリーダーの太さとほぼ変わらないため、ガイド抜けが抜群に良い。
- 強度が非常に高く、大物とのやり取りや根掛かり時にも安心感がある。
- デメリット
- 習得に時間がかかり、正しく編み込めていないと簡単に抜けてしまう。
- 現場で一から結ぶには手間がかかるため、事前の準備が必要。
使い分けの目安
FGノットを推奨する場面
- 飛距離を重視する場合: ガイド干渉が少ないため、エギを遠投するエギングではFGノットが基本です。
- 大物を狙う場合: キロオーバーのアオリイカや、不意の外道(青物など)が掛かる可能性がある場合。
- 釣行前の準備: 自宅で落ち着いて結べる時は、最も信頼性の高いFGノットを選びます。
電車結びで十分な場面
- 現場でのリカバリー: 時合い(釣れる時間帯)にラインが切れ、1秒でも早く復帰したい場合。
- 近距離の釣り: 堤防の際を狙うなど、遠投の必要がない場合。
- リーダーが極端に細い場合: 摩擦系ノットが効きにくい超極細ライン同士の接続など。
結論として:
エギングを本格的に楽しむのであれば、メインはFGノットを習得し、トラブル時のバックアップとして電車結びを覚えておくのが理想的です。
